試験前でバイトに入れない、イベントが重なってお金がない…
収入が限られる学生は金欠になりやすく、中にはお金を借りようと考えている人もいるのではないでしょうか。
それでも学生でお金を借りるのは危なそう、親には絶対バレたくないなど不安を感じる人も少なくないはずです。
この記事では、学生が目的や状況に合わせてお金を借りる方法について詳しく解説。
学生でも安全にお金を借りる方法はもちろん、バレない方法や注意したいリスクなど隅々まで網羅しています。
学生がお金を借りる方法10選を目的ごとに詳しく解説
学生がお金を借りるには、まず利用目的を明確にする必要があります。
目的ごとに利用すべき手段が変わり、それぞれで金利など借入条件が大きく異なるためです。
また、学生といってもそれなりの収入がある成人と未成年、家庭の経済事情が悪い人では利用できる制度が違います。
まずは自分の置かれた状況をよく理解して、次で紹介する10の方法からどれが最も自分に合うのか順に見ていきましょう。
利用対象 | 概要 | |
---|---|---|
奨学金 | 未成年も利用可能 | 学費など学校関連の費用に利用 |
国の教育ローン | 安定した収入のある成人以上 | 学費のほか、受験費用や入学金も対象 |
大手消費者金融カードローン | 安定した収入のある成人以上 | 使い道は原則自由 |
銀行カードローン | 安定した収入のある成人以上 | 使い道は原則自由 |
学生ローン | 安定した収入がある18歳以上 | 限度額は少額だが学生証でお金が借りられる |
内定者ローン | 就職が内定している18歳以上 | 就職内定者対象のろうきんが提供するローン |
クレジットカードのキャッシング枠 | 多くのカードでは成人以上 | クレジットカードに付帯のお金を借りる機能 |
質入れ | 多くのお店では成人以上 | ブランド品・貴金属を担保にしてお金を借りる |
後払い決済 | 年齢問わず | 買い物代金を翌月にまとめて支払う |
母子父子寡婦福祉資金貸付 | 制度対象の家庭なら未成年でも利用可能 | 就職や就業に必要なお金の貸付が受けられる |
生活福祉資金貸付 | 低所得など制度対象の世帯 | 就職や就業に必要なお金の貸付が受けられる |
お金を借りると、一部奨学金のように返済不要の特定条件が無い限り、必ず返済しなくてはなりません。
そのため、お金を借りる制度は原則として継続的で安定した収入がある人、または見込まれる人が利用できます。
なお、安定した収入とは正社員だけでなくアルバイトやパートも対象となるので、年齢条件さえ満たしていれば学生でもお金を借りられます。
ここからは、それぞれのお金を借りる方法についてより詳しく解説していきます。
学校生活に関わるものなら奨学金の利用を
奨学金の中でもっとも一般的に知られているのが、日本学生支援機構(JASSO)の制度です。
申し込みは学校経由が基本で、奨学金ごとに学力と家計に申込基準が設けられており審査もあります。
対象となる進学先が決められており、一覧は文部科学省の支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧で確認が可能です。
JASSOの奨学金制度一覧は以下の通りです。
金利 | |
---|---|
給付型奨学金 | 返済不要 |
第一種奨学金 | 無利子 |
第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象) | |
第二種奨学金 | 有利子(貸与完了月に利率が決定) 令和3年4月の場合…0.003%または0.268% |
第二種奨学金(短期留学) |
給付型奨学金は2020年4月から始まった新しい制度で、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯が対象です。
授業料の減額や奨学金の支給が受けられ、返済がいらない点が他と大きく異なります。
奨学金は国内の学校だけでなく、まとまったお金が必要な海外留学も対象となる点にも注目です。
また、有利子でもこの後紹介する民間のローンよりもずっと金利は低いので、学業関連でお金を借りるならまずは奨学金を優先しましょう。
申し込むタイミングは進学前に申し込む予約採用と、毎年春と秋に申し込める在学採用、災害や家計の急変時に随時申し込める緊急採用があります。
JASSOの他にも学校や自治体独自の奨学金制度があり、中には返済免除の規定がある場合も。
JASSO内の大学・地方公共団体等が行う奨学金制度で条件を指定して検索できるので、こちらも要チェックです。
安定した収入があるなら国の教育ローンも検討
国の教育ローンとは、政府系金融機関である日本政策金融公庫の教育一般貸付のことです。
お金を借りるのは原則として学生の保護者ですが、成人済みで安定した収入があり、独立して生計を立てていれば学生本人でも申し込み可能です。
例えば、成人されており、勤務収入などの安定したご収入があって、独立して生計を営んでいらっしゃる方であれば、学生ご本人でお申込みいただけます。
ただし、今回の入学・在学により、学業に専念されるような場合は、ご返済の見通しが困難となることから、ご両親のうち主に生計を維持されている方やご親族の方にお申込人となっていただくようお願いいたします。引用元:日本政策金融公庫
申し込みは随時受け付けていて、授業料や入学金だけでなく受験料も対象となるのが奨学金と大きく異なるポイントです。
また、奨学金と同様に国内の学校だけでなく、海外留学も対象となっています。
金利などの貸付条件は以下の通りです。
貸付上限 | 350万円 ※一定の要件を満たせば450万円まで |
---|---|
金利 | 年1.65%(固定) |
奨学金よりは金利がやや高いですが、これでもやはり民間のローンよりは低いです。
奨学金との併用もできるので、併願すると費用がかさむ受験費用や入学金はこちらで工面するという使い方もできます。
即日お金が必要なら大手消費者金融カードローン
急ぎでお金が必要なら、即日でお金が借りられる消費者金融がおすすめです。
中でも大手の消費者金融であれば、審査が早いなど利便性が高く、少なくとも聞いたことがない業者を選ぶよりずっと安全にお金が借りられます。
カードローンは借りたお金の使い道が自由なので、どうしても欲しい物や旅行費用などにも利用可能です。
利息はおよそ18.0%と、奨学金や国の教育ローンと比較すると高いですが、短期間で返済するなら無利息期間で利息を抑えられます。
大きな申し込み条件は以下の2つです。
- 本人に安定した収入がある
- 年齢が成人以上
安定した収入とはアルバイトやパート勤務による給与収入で、親からの仕送りのみで生活している学生は条件を満たしません。
また、未成年も申し込み対象外なので、アルバイトで稼ぎがある学生でも対象外です。
借りる金額の上限は、貸金業法により年収の3分の1までと決まっています。
例えば月に5万円のバイト収入があるなら年収は60万円、その3分の1で20万円が借りられる最高金額です。
カードローンは審査がありますが、延滞さえしなければ実家に連絡がいくことはありません。
実家住まいの学生でも、郵送物が無いWeb完結申し込みなら同居家族にバレにくいです。
学生におすすめの消費者金融カードローン4社
大手消費者金融のカードローンから選ぶ場合、金利の差はほぼありません。
審査内容の違いや借り入れ・返済の利便性などで違いがあるので、どこが自分にとって便利に利用できるのか比較してみてください。
【利便性の高さで選ぶならプロミス】
プロミスにはスマホ専用アプリの「アプリローン」があり、カード無しでの契約でもセブンイレブンやローソンに行けば夜中でも現金を引き出せます。
振込融資は全国約200の金融機関で最短10秒で振込可能なので、出身地で作った地方銀行の口座も対象になっている可能性が高いです。
また、カード有り契約なら三井住友銀行ATMが手数料無料で利用でき、外からはお金を借りているとバレずに利用可能。
利用翌日から30日間無利息期間があり、学生の行動範囲の中で借り入れ・返済が行えて便利なカードローンです。
【職場への電話確認が原則無しのアイフル】
カードローンの審査では、バイトであっても職場への電話確認が行われるのが一般的です。
それを原則無しにしたのがアイフルで、バイト先への電話が無いだけでもかなり大きなメリットか感じられます。
また、申し込みからお金が借りるまで最短25分と早いので、急ぎでお金が必要な人にもおすすめです。
申し込み時に特に便利さが感じられるアイフルは、利用者のうち20代が44.9%と圧倒的に多く、若い世代を中心に支持を集めています。
【初心者でも手続きが進めやすいアコム】
アコムは初心者でも迷わず手続きが進められる分かりやすさに定評があり、アプリからの申し込みなら本人確認書類は1つだけでOKです。
他の消費者金融では運転免許証など顔写真入りの証明書が求められることが多いですが、アコムは学生でもほぼ全員が持っている健康保険証が提出可能。
準備がすぐにでき、申し込みフォームも項目が少なくて準備が簡単です。
なお、楽天銀行との相性がよく、土日の夜間も含め24時間365日いつでも最短1分で振込融資が受けられます。
【無利息期間が充実しているレイクALSA】
レイクALSAは無利息期間が他より長く、Webからの申し込み限定で60日間全額、借り入れ額のうち5万円までなら180日間無利息となります。
このうち、限度額が低めに設定されがちな学生なら180日間のほうがお得になりやすく、期間中なら何回借り入れしても5万円まで無利息です。
返済日は自由に設定できるので、バイト先の給料日に合わせて都合の良い日を選べて確実に返済を進められます。
とにかく利息を抑えてお金を借りたい場合は、無利息期間の長さでレイクALSAがおすすめです。
低金利は魅力だけど審査が厳しい銀行カードローン
銀行にはカーローンや住宅ローンなどさまざまな目的別ローンがありますが、消費者金融と同様に使い道自由のカードローンもあります。
大きな借入条件は消費者金融と同様で、成人していて安定した収入があれば申込対象です。
金利は消費者金融よりも低い傾向があり、カードローンの金利は15.0%以下であることも珍しくありません。
また、銀行は貸金業法の影響を受けないので、法律上は借りる金額の上限が無いのが特徴です。
ただし、消費者金融よりも審査は厳しめで、即日融資が不可能な点には注意しましょう。
未成年も学生証でお金を借りられる学生ローン
消費者金融の中でも、学生への貸付に特化しているのが学生ローンです。
学生街や学校の近くにあることが多く、ネットから申込できる業者もあります。
銀行や大手消費者金融では本人確認書類として認められない学生証も、学生ローンなら申込時に利用できるのが嬉しいポイント。
多くのところで、以下の2つを申し込み条件としています。
- 高卒以上の学生であること
- 安定した収入があること
学生ローンであっても高校生は対象外で、バイトなどによる安定した収入は必須条件です。
年齢条件に関しては20歳以上としているところが大多数ですが、中には18歳以上なら利用可能な場合も。
ただし親の同意書が求められる場合があるので、内緒で借りるのは難しいです。
だからといって、もし書類を偽造すると契約解除となりかねないので絶対にしないでください。
学生ローンと名前は付いていますが、学生のうちに完済が必要なわけではないので、焦らず計画的に返済を続けることが肝心です。
未成年でも利用可能な学生ローン2社
ここでは未成年でも利用可能としている学生ローンを紹介します。
一般的な知名度はさほど無いかもしれませんが、いずれも信用できる老舗の学生ローンです。
【親の同意書不要で申し込みできるカレッヂ】
カレッヂは高田馬場にある創業45年の学生ローンで、申し込み時に家族やアルバイト先への連絡はありません。
18歳、19歳の利用でも親の同意書が必要ないので、知っている人の誰にもバレずにお金を借りられます。
ネットや電話による申し込みができ、高田馬場の本店に行けない学生でも利用可能です。
また、セブン銀行ATMに対応しているので、全国どこにいてもATMでの借り入れや返済が行えます。
【利の設定が低めのフレンド田】
フレンド田の最高金利は17.0%と消費者金融よりも低めで、利息を少しでも抑えたい学生に向いています。
18歳、19歳の未成年でも利用できますが、親が連帯保証人になり同意書も必要なので内緒にはできません。
高田馬場にあるお店に行くほか、ネットや電話で申し込みができ、全国どこにいても振り込みでお金を借りられます。
即日融資も可能としているので、急ぎで融資を受けたい学生は利便性で消費者金融とも比較しながら検討してみてください。
就職内定者なら内定者ローンが利用できる場合も
すでに就職の内定をもらっている学生が利用できるのが就職内定社専用ローンで、一部のろうきんや地方銀行で取り扱いがあります。
年齢条件のほか、居住地域や勤務先に条件が付きますが、カードローンと違って現在バイトをしている必要はありません。
取り扱いのある主な金融機関は以下の通りです。
金利 | 年齢条件 | 地域条件 | |
---|---|---|---|
東海ろうきん「みらいず」 | 年4.7% | 満20歳以上30歳未満 | 愛知・岐阜・三重県内に居住、勤務予定の学生 |
武蔵野銀行「むさしの新卒予定者応援ローンROOKIE」 | 年6.0〜8.0% | 満20歳以上30歳以下 | 埼玉県内または東京都内に居住、勤務予定の学生 |
長野ろうきん「就職内定者向けローン」 | 固定金利:3.0%、変動金利:2.5% | 満18才以上満30歳未満 | 長野県内に居住し、長野県内に本社もしくは事業所を置く企業から内定を受けて勤務予定の学生 |
静岡ろうきん「就職内定者向けローン」 | 固定金利:2.5%または3.8%、変動金利:3.7%または5.0% | 満18才以上満30歳未満 | 静岡県内に居住、または静岡県内の企業への内定が決まった学生 |
ろうきんであれば、対象年齢が18歳以上と未成年でも利用できるところがありますが、親権者の同意書や連帯保証人が必要です。
使い道の自由度が高めで、金利もカードローンと比較すると低いので、対象となる人は優先度の高い選択肢になるでしょう。
クレジットカードのキャッシング枠があれば審査不要
クレジットカードには、買い物で使うショッピング枠とは別にキャッシング枠があります。
カード作成時に設定したり、あとからカードのマイページ等から申請して利用しますが、枠の設定には審査が必要です。
学生が利用できるキャッシングの利用額は10万円以下の少額である場合がほとんどですが、すでに枠を持っていればすぐにお金を借りられます。
もしこれからキャッシングのためにカードを作ろうとしているなら、お金を借りる利便性がさほど高くなく金利も高めなので、消費者金融のほうがメリットが多いでしょう。
ブランド品や貴金属を質入れ(質預かり)してお金を借りる
質入れは質預かりとも呼ばれ、ブランド品や貴金属を査定してもらって査定額の範囲内でお金を借りる方法です。
ローンなどと大きく異なるのは、審査なしでお金を借りられて、返済できなくても催促されることは無い点。
期限内に返せなければ、預けた物は質流れ品として売りに出されてしまいます。
お金を借りたり、質流れとなってしまったりしても信用情報として何の記録にも残らない点も人によってはメリットです。
質入れは質屋営業法により18歳以上なら利用可能なので、法律上は18歳以上の未成年なら利用できます。
ただし、実際は利用を20歳以上とする質屋が多いので、未成年には利用しにくい手段です。
買いたい物があるなら後払い決済が便利
お金を借りるとは少し異なりますが、どうしても買いたい物があってお金を借りようとしているなら後払い決済の利用も考えてみましょう。
後払い決済は、翌月の指定日までにまとめて支払いを行うもので、バイト代が入るのを待たずにお買い物ができます。
ファミペイやPayPayなどのキャッシュレス決済に機能が付いているほか、プリペイドカードや後払いに特化した専用アプリでも利用可能です。
後払い決済の最大の特徴は、年齢制限がなく最低限の機能だけなら審査も無い点。
収入はお小遣いだけの、バイトをしていない高校生でも利用できます。
高校生でも利用できるおすすめの後払い決済
授業料など学費関連以外でお金を借りる手段が無い高校生にとって、後払い決済は利用価値が高いサービスです。
利用にあたっての注意点は翌月に一括でまとめて支払いが必要なことで、バイト代が入るなど支払う目処が立っていなければなりません。
審査が無いのでバイトをしていなくても利用できますが、必ず支払える分だけのお買い物にとどめてください。
高校生が利用できる、おすすめの後払い決済は以下の2つです。
【プリペイドカードだから審査が無いバンドルカード】
バンドルカードは、アプリのデジタルカードでネットショッピングができるほか、リアルカードを発行すれば街中でも利用できるプリペイドカードです。
VISA加盟店ならどこででも利用できるので、クレジットカードが使えるお店ならほぼ利用可能と考えてよいでしょう。
プリペイドカードにチャージする際に「ポチッとチャージ」機能を使うと、金額ごとに一定の手数料はかかるものの翌月後払いができます。
チャージ分しか利用できないので、使えるお金が限られる学生でも使い方がコントロールしやすいです。
【ネットショッピングに使うならPaidy(ペイディ)】
Paidy(ペイディ)は後払い決済専用アプリで、amazonやSHOPLIST、ラクマなどで翌月後払い決済が利用できます。
18歳未満であれば翌月一括払いしか利用できませんが、18歳以上で定期収入があれば最大3回まで分割払いも可能に。
ネットで見つけたちょっと高額なパソコンやブランド物も、無理のない支払い方法で手に入れられます。
チャージ式ではないので、どうしても欲しいものがある時にだけピンポイントで利用するなど都合に合わせて使いやすい後払い決済アプリです。
家庭環境によっては行政の貸付制度が利用できる
母子家庭・父子家庭であれば母子父子寡婦福祉資金貸付、低所得世帯など条件を満たすと生活福祉資金貸付が使える場合があります。
【母子父子寡婦福祉資金貸付】
母子父子寡婦福祉資金貸付は、20歳未満の子どもを扶養しているシングルマザー・シングルファザーが利用できる制度です。
お金を借りる目的ごとに条件が異なり、以下では子どもである学生本人も利用可能です。
金利 | 利用目的 | |
---|---|---|
修学資金 | 無利子 | 高校〜大学院の授業料、書籍代、交通費など |
修業資金 | 無利子 | 事業開始、または就職するために必要な知識・技能の習得 |
医療介護資金 | 保証人あり…無利子 保証人なし…年1.0% |
医療または介護を受ける |
就学支度資金 | 無利子 | 就学、修業するために必要な物の購入 |
修学や就職が目的の貸付なら、制度の当事者である親ではなくても利用対象です。
奨学金では無利子の第一種貸与が厳しい場合でも、この制度の修学資金貸与が利用できれば同じく無利子でお金を借りられます。
【生活福祉資金貸付】
生活福祉資金貸付は以下の条件に当てはまれば利用できる制度です。
- 住民税非課税相当の低所得者世帯
- 高齢者がいる世帯
- 障害者がいる世帯
住民票により世帯が同じかどうか判断されるので、学生本人はお金に困っていても親や兄弟に一定以上の収入があると制度が利用できません。
事情があって住民票を分けてある場合は、単身世帯としてみなされて利用できる場合があります。
学生に関する貸付では教育資金や修業資金などもあり、奨学金との併用も可能です。
生活福祉資金貸付は生活の立て直しが目標の制度で、自立支援のサポートなどもあります。
興味のある人は、自治体の社会福祉協議会に相談してみましょう。
学生がお金を借りるのにも審査は必要!未成年が借りる方法は限られている
お金を借りるには、たとえ学生であっても審査が必要です。
特に重視されるのは希望額に対する返済能力の有無で、以下の2点は大きなポイントとなります。
- 希望額に対して完済できる安定した収入があるか
- 毎月まじめに返済できる誠実さはあるか
学生における安定した収入とは、長期で務めるバイト先のことを指します。
例えば同じ月収5万円のバイトでも、毎月ほぼ決まったシフトに入って稼いでいる人と日雇いの単発バイトで稼ぐ人では、前者のほうが審査では有利です。
なお、収入がなければ返済はできないとみなされるので申し込みもできません。
次に、誠実さをアピールするカギ3つあります。
- 入力フォームに誤記載や虚偽がない
- 必要書類は求められたものを確実に提出する
- 信用情報に傷がない
例えば、多く借りたいからと年収をごまかしても、給与明細書の提出を求められれば嘘はバレて審査落ちの原因となります。
また、必要書類は最新のものを用意するのが基本なので、古い書類や住所が古いなど不備があると審査が進まず、そのまま審査落ちになる可能性も。
さらに、過去に携帯電話料金を滞納した、クレジットカードの引き落としができずそのまま放置したなどの経験は、信用情報として業界で共有されます。
信用情報が滞納などにより傷があると、審査通過は厳しいです。
未成年がお金を借りる方法は限られている
ここまで紹介してきたお金を借りる方法を見ても、未成年はお金を借りる方法が限られています。
これは、契約に関する責任能力について定めた、民法第5条の影響が大きいです。
民法第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。引用元:e-GOV
学業関連であれば奨学金が利用できますが、旅行や遊びに使うのなら学生ローンや後払い決済くらいしか選択肢はありません。
ただし、2022年4月からは法改正により18歳以上が成人扱いとなるため、各社の年齢制限が引き下がる可能性も。
すでにメガバンクのカードローンでは、年齢制限はこれまで通り20歳以上を維持する考えがあるので、業界や会社ごとに判断が割れると考えられます。
三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行は、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる4月以降も、カードローンの契約対象を20歳以上に据え置く。カードローンは資金の使途を問わず、18~19歳の若者が借りすぎて多額の借金を抱える事態を懸念した。
未成年の学生であれば、まず親を頼ってお金を援助してくれないか相談するか、バイトで必要なお金を稼ぐことを優先しましょう。
学生がお金を借りるのはやばい?具体的な3つのリスクを紹介
学生がお金を借りることに対して、なんとなく「やばそう」とイメージする人は少なくないはずです。
一度借りたらずっと返済地獄、返済を忘れたら反社会的なことに巻き込まれそうなど、昔からの根強いマイナスイメージもあります。
一方で、カードローンなどのCMは手軽そうで身近に感じるものが多いですが、具体的にどのようなリスクが潜んでいるのでしょうか。
借りるのがクセになると返済が終わらない
よく聞く「返済が終わらない」「利息が雪だるま式に増えていく」というのは、借り入れを繰り返した場合の話です。
例えば、緊急で5万円必要で20万円を限度額にカードローンの契約をした場合、最初の5万円だけなら完済まで時間はかからないでしょう。
多くの場合、その便利さからちょこちょこ借り入れを繰り返してしまうのが、返済が終わらない原因です。
1万円返済しても新たに1万円借りるのを繰り返していれば、元金も利息も減るはずがありません。
性格的に借り入れがクセになりそうなら、アプリの生体認証をオフにするなどしてあえて不便にする、完済したら解約するなど自制が必要です。
長期延滞してしまうと今後の生活が不便になる
うっかりでも支払いを長期延滞してしまうと、卒業後の人生計画まで狂いかねません。
各種ローンや奨学金の返済状況は、常に信用情報機関に登録され続けます。
支払日から3カ月以上または61日以上返済が遅れると、長期延滞による「ブラックリスト」入りする点には特に注意が必要です。
ブラックリスト入りは、お金を貸すことに対して極めて信用度が低いことの証明になってしまいます。
【ブラックリスト入りしてしまうとこんなことが起きる】
長期延滞の記録は延滞が解消してから最長で5年間保存され、その間はクレジットカードの作成や各種ローンの契約は極めて困難です。
例えば、卒業してすぐ車を買う場合のカーローンや、早いタイミングでマイホームを計画することになった場合の住宅ローンは、契約できない可能性が高いです。
そこまで大きな買い物ではなくても、スマホの分割払いも審査に通らないのでとにかく不便な日常が待っています。
うっかり支払いを忘れそうな人は、返済を口座引き落としにするなどあらかじめ対策をしておきましょう。
SNSで勧誘するヤミ金に注意
SNSでは、バイト無しでもOK、審査無しでお金が借りられるなどびっくりするような好条件を提示している場合があります。
また、消費者金融などを使わず個人間融資を持ちかけてくる人もいますが、いずれもトラブルとなるリスクしかないので絶対に利用してはいけません。
審査無しでお金を貸すことや個人間融資は、貸金業法に違反します。
また、甘い言葉で勧誘する人はたいてい裏があり、ヤミ金業者とつながっている可能性も高いです。
学生や未成年は特に狙われやすいので、SNSで金欠を不用意に呟いて引き寄せないようにしましょう。
お金を借りるなら、確実に信用できる相手を選ぶことが必須です。
学生がお金を借りても就活への影響は無し
学生でお金を借りるとなった時、一番気になるのが就活で不利になるのかどうかではないでしょうか。
まず、ローンの契約そのものが就活に影響することは無いと考えてよいでしょう。
もし第三者が確認できるとしたら信用情報機関への問い合わせとなりますが、そもそも加盟会員ではない企業は信用情報を見ることはできません。
もし会員となっている銀行や信販会社などへの就職を考えている場合でも、信用情報を採用活動で利用できない規則となっています。
下記は、信用情報機関であるCICの罰則に関する取り決めです。
加盟会員が上記の利用目的に違反して、DMの発送や社員採用試験の参考にするなどのためにCICの情報を利用したことが判明した場合、利用停止や加盟契約解除等の罰則を適用します。
引用元:CIC 信用情報の利用について
ただし、長期延滞などでブラックリスト入りしている場合、入社後に会社にバレる可能性はあります。
例えば自社クレジットカードの作成が必要な時や、ローンを組んで自社製品を買うことになった場合です。
雇用に影響する可能性は低いですが、やはりお金を借りたなら真面目に返済するに越したことはありません。
保証人不要なら学生でも親にバレない
保証人とは、もしお金を借りた本人がなんらかの理由で返済できなくなった時、代わりに返済すると約束した人のことです。
無利子で貸し付ける行政の貸付制度や、ろうきんなどで低金利で借りられるローンは保証人が必要な場合が多いです。
お金の貸し借りが絡む保証人は友人に気軽に頼むようなものではなく、多くは親族に頼むこととなります。
また、行政の貸付制度の多くは、連帯借受人として親権者も一緒に債務を負担しなければならず、親に隠すことはできません。
そのため、もし親にバレるのを防ぎたければ保証人不要のローンを選ぶ必要があります。
【金利が高めだと保証人不要な場合がほとんど】
カードローンやクレジットカードのキャッシング枠は保証人が不要で、代わりに保証会社の保証を受ける形で契約します。
成人以上であれば親の同意書も必要なく、契約手続きは自分だけで完結するので、別居であれば親にバレることはないでしょう。
ただし、返済を滞納すれば保証人ではなくても実家に所在確認の電話や郵送物が行く可能性はあります。
このほか、担保不要という言葉もよく目にしますが、担保とは物や不動産を保証にしてお金を貸すことです。
学生の場合だと質入れが担保有りでお金を借りる方法で、返済できなければ担保にした物を手放さなくてはなりません。
借りたら返済が必要!初めて借りる学生でもわかる返済の進め方を解説
お金を借りる方法は、ATMから引き出すか振込融資のどちらかになりますが、返済はどうでしょうか。
初めてお金を借りる学生にとっては、どうやって返済を進めるのか不安な人もいるかもしれません。
返済には約定返済として毎月必ず支払わなければならない最低額と、追加返済または臨時返済として多く支払うものがあります。
返済方法はお金を借りる方法や会社によって異なりますが、利便性が高い消費者金融では以下の選択肢が用意されています。
- 会員ページからインターネット返済
- ATMを利用して現金取引で返済
- 銀行振込で返済
- コンビニで端末を利用して返済
- 口座振替
提携ATMでの取引や銀行振込は手数料がかかることが多いため、毎回の利用にはあまりおすすめできません。
インターネット返済は自宅にいながらスマホ一つで手続きができ、手数料無料とするところが多いのでおすすめの方法です。
口座振替は、返済日になると自動的に指定した口座からお金が引き落とされる仕組みで、約定返済はこれしか利用できないローンもあります。
忘れっぽい人は口座振替がおすすめ
忙しくて返済日を忘れてしまいそうな場合は、口座振替で返済するのがおすすめです。
バイト代の振込口座を指定し、返済日の設定を給料日直後にすれば残高不足になる心配はありません。
ただし、口座振替で引き落とされるのは約定返済の最低返済額だけなので、より早い完済を目指すなら追加返済も行いましょう。
その際は、インターネット返済なら思い立った時にすぐ振込を実行できて便利です。
金利が高いと損?シミュレーションで検証
ここまで紹介してきた学生がお金を借りる方法では、金利は0から18.0%と非常に幅が広くなっています。
もちろん低いに越したことはありませんが、用途によっては高い金利しか選べない場合も。
奨学金のように100万円を超える貸付は、学生がカードローンで借りられるような金額ではないので、ここでは少額のお金を借りた場合でシミュレーションしてみました。
5万円・10万円・20万円を借りて12回(1年)で完済する場合、金利の差によってどれほど総支払い額が変わるのでしょうか。
ここでは行政の貸付や国の教育ローン、ろうきん、学生ローンや消費者金融を想定したそれぞれの金利で比較します。
1.6% | 5.0% | 18.0% | |
---|---|---|---|
5万円 | 50,429円 | 51,360円 | 55,002円 |
10万円 | 100,864円 | 102,723円 | 110,011円 |
20万円 | 201,732円 | 205,453円 | 220,027円 |
金利だけ見るといまいちピンとこない数字も、実際の金額で比較するといかに低金利のメリットが大きいのかが分かります。
学生がお金を借りる方法として最も手っ取り早くたどり着ける学生ローンですが、まずは他の借入方法や後払い決済などを検討した後に申し込みましょう。
消費者金融も学生ローンと同様に金利は高いですが、無利息期間中に返済を進めれば利息は抑えられます。
学生でも安全にお金は借りられる!計画的な利用を心がけよう
学生がお金を借りる方法はいろいろあり、奨学金や国の制度を利用するほか民間のカードローンも利用できます。
学生であってもアルバイトなどで安定した収入があれば、安全にお金を借りる選択肢は1つだけではありません。
お金を借りる際は、利用は余裕をもって返済できる額に留め、返済し忘れには十分注意して計画的に利用しましょう。