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国からお金を借りる方法とは?目的や制度ごとに詳しく解説

収入が一時的に激減して困窮した時、個人事業主やこれから起業する人でまとまった事業資金が必要な時に頼れるのが、国からの融資です。

国からお金を借りるためには条件ごとにあった制度を利用する必要があり、種類は多岐にわたるので利用しにくいと感じる人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、国からお金を借りる方法について制度の内容や利用条件について詳しく解説します。

最後まで読めば自分が利用できる制度が分かり、より都合がいい方法が見つけられるはずです。

目次

国からお金を借りる公的融資制度とは?一覧で紹介

国や自治体など、公的機関からお金を借りる制度を公的融資制度と言います。

民間の金融機関からお金を借りるよりも低金利でお金が借りられ、場合によっては無利子での貸し付けが行われるなど生活の困窮時に役立つ存在です。

ただし、国とはいえお金を借りることと給付は違うので、基本的に返済が必要な制度がほとんどです。

どの制度でも一定の審査があり返済能力についての審査も行われ、対象者となる条件がそれぞれ限定されており、希望者全員が利用できるわけではありません。

主な公的融資制度や、その利用条件は以下の通りです。

金融機関でローンを組む以外の方法で、条件に合わない場合に検討できる似たような制度も一緒に紹介します。

  利用対象となる条件 似た内容のその他制度
生活福祉資金貸付制度 ・低所得者世帯
・障害者世帯
・65歳以上の高齢者世帯
・新型コロナの影響を受けている世帯
・生命保険契約者貸付
・生活保護
求職者支援資金融資制度 職業訓練受講給付金を受給する予定の人 ・勤労者生活支援特別融資制度
・看護師等修学資金貸与
教育一般貸付 世帯年収が770〜1,190万円以下(子どもの人数により異なる) ・奨学金(JASSO)
母子父子寡婦福祉資金貸付金 20歳未満の子どもを扶養している配偶者のない人、寡婦
臨時特例つなぎ資金貸付制度 公的給付制度や貸与制度の申請が受理されている、住居のない離職者 ・住居確保給付金
日本政策金融公庫による貸付 事業用の運転資金、設備資金が必要な人(起業を含む) ・銀行のローン

制度によっては、用途ごとに細かく条件などが決められているので、ここからの項目でより詳しく確認していきましょう。

無利子で国からお金を借りられる生活福祉資金貸付制度

申込対象 ・低所得者世帯
・障害者世帯
・65歳以上の高齢者世帯
・新型コロナの影響を受けている世帯(特例貸付)
申込先 各自治体の社会福祉協議会

生活福祉資金貸付制度は、低所得者世帯や高齢者世帯、障害者世帯が利用できる制度で、各都道府県の社会福祉協議会が窓口となっています。

ここでの低所得者世帯とは市町村民税非課税程度を指し、その中でも失業などによって一時的に困窮している世帯が制度の対象です。

また、世帯に1人でも障害者や高齢者がいれば制度の利用対象となります。

生活福祉資金は利用目的などによって以下の4種類に分けられており、それぞれで貸付条件が少しずつ異なる点で注意が必要です。

  • 総合支援資金
  • 福祉資金
  • 教育支援資金
  • 不動産担保型生活資金

また、現在新型コロナの影響を受けている世帯向けに、本来制度の対象とはならない世帯でもお金を借りることができる特例貸付も行われています。

それぞれについて、条件など詳しく確認してみましょう。

一定期間生活の困窮を支援する総合支援資金

貸付上限金額 ・生活支援費…2人以上世帯:20万円、単身世帯:15万円
原則3カ月間、最長12カ月
・住居入居費…40万円
・一時生活再建費…60万円
返済期間(償還期限) 最終貸付日から6カ月以内の据置期間(利息のみ支払う期間)経過後、10年以内
金利 ・保証人あり:無利子
・保証人なし:年利1.5%

困窮している生活を立て直し、自立できるまでの支援を目的としているのが総合支援資金です。

住居がある、または確保が見込めることが条件で、離職中の人はハローワークへの求職申し込まなくてはなりません。

総合支援資金さらに3種類に分けられ、それぞれで借りる目的が異なります。

・生活支援費
生活支援費は、困窮する生活を再建するまでの間に必要な生活費用が使用目的の支援資金です。

原則3カ月間、最長12カ月間わたって毎月融資を受けられ、その間に自立支援なども受けながら生活の立て直しをはかります。

・住宅入居費
賃貸住宅に入居する際の敷金や礼金、各種手続きにかかる費用に利用できます。

・一時生活再建費
生活の再建のために一時的に必要な費用や、生活費からは捻出できない費用をまかなうために利用できます。

就職のための技能習得のほか、水道・光熱費など公共料金の滞納金、債務整理にかかる費用も利用対象となるのが特徴的です。

総合支援資金は、いずれも最終貸付から6カ月間は利息の支払いだけでよく(無利子の場合は支払いなし)、返済期限は10年以内と余裕があります。

なお、自立を目指すことが前提となるので、申込時には求職活動などの計画書が必要です。

住居が無くなりそうな人は、まずは住居確保給付金の申請を行い確保の見込みがある状態にしましょう。

住居確保給付金については、のちほど詳しく解説します。

病気療養や介護などに利用できる福祉資金

貸付上限金額 580万円(用途により細かく設定)
返済期間(償還期限) 最終貸付日から6カ月以内の据置期間(利息のみ支払う期間)経過後、3〜20年以内(用途による)
金利 ・保証人あり:無利子
・保証人なし:年利1.5%

福祉用具を買う費用や介護サービス利用料などのほか、家業の経費や病気やケガで一時的に休職している間の生活費としても利用できます。

このほか、災害に被災した時の復旧費用や技能習得のための費用、冠婚葬祭費用など用途は多岐にわたり、総合支援資金よりも金額が大きいのが特徴です。

用途によって返済期限が異なり、生業(家業)を営むための費用が最長で20年間に設定されています。

緊急小口資金は一時的な緊急の融資にも対応

貸付上限金額 10万円
返済期間(償還期限) 貸付日から2カ月以内の据置期間(利息のみ支払う期間)経過後、12カ月以内
金利 無利子

緊急性があり、一時的に生活に困る状況で利用できます。

額は10万円以内ですが、保証人不要・無利子で国からお金を借りられるのが最大の特徴です。

ただし、緊急とは付くものの申込から口座振り込みまでは10日前後かかる場合が多く、即日融資ではありません。

公的融資は審査や手続きに時間がかかるので、今日明日中に必要なお金を手にするには不向きと言えます。

入学準備費用にも利用できる教育支援資金

貸付上限金額 ・高校…月3.5万円
・高専…月6万円
・短大…月6万円
・大学…月6.5万円
※必要な場合は上限の1.5倍の額まで
・就学支度費…50万円
返済期間(償還期限) 卒業から6カ月以内の据置期間(利息のみ支払う期間)経過後、20年以内
金利 無利子(ただし世帯内で連帯借受人が必要)

高校からの学費や必要経費に使えるのが、教育支援資金です。

連帯借受人とは、借りた人と連帯して債務を負担する人のことで、原則として親権者や未成年後見人が引き受けます。

就学支度費は、入学の際に購入する制服や学用品、その他費用に使える費用で、上記と違って継続ではなく一時的な貸付です。

どの支援資金も無利子で借入可能で、返済期限も最大20年あります。

高齢者は不動産担保型生活資金で生活費の借り入れが可能

貸付上限金額 ・総額の上限は土地の評価額の70%程度
・月30万円以内
・期間は限度額に達するまで、または借りた人が死亡するまで
返済期間(償還期限) 契約終了後3月以内の据置期間(利息のみ支払う期間)終了時
金利 年利3.0%または長期プライムレートのいずれか利率の低い方

高齢者が利用できるのが、不動産を担保にする不動産担保型生活資金です。

土地の評価額の70%が限度額となり、毎月30万円までの貸付が受けられます。

長期プライムレートとはみずほ銀行が発表している金利のことで、直近では2022年2月10日から年利1.1%と3.0%よりも低金利です。

なお、この貸付は推定される相続人の中から保証人を選ぶ必要があります。

新型コロナで困窮の場合は条件面で特例あり

申込対象 新型コロナの影響で収入の減少があった世帯
貸付上限金額 ・総合支援資金…2人以上世帯:月20万円、単身世帯:15万円(原則3カ月以内)
・緊急小口資金…20万円
返済期間(償還期限) ・総合支援資金…10年
・緊急小口資金…1年
金利 無利子(保証人不要)

新型コロナの影響で収入が減少している人や、休業を余儀なくされている人への特例貸付は、申請期間が令和4年3月末日までとなっています。

特例給付では、本来は生活福祉金制度の対象ではなくてもコロナの影響があれば申し込みが可能で、保証人不要で無利子です。

また、緊急小口資金が本来は10万円が20万円まで増額されている点も大きな特徴と言えます。

申請期限が迫っていること、新型コロナの影響を受けている人が少なくないことから手続きに時間がかかる場合もある点に注意してください。

なお、特例貸付で審査落ちとなった世帯、すでに貸付を受けて困窮状態が解消されない世帯に対しては「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」があります。

収入や資産の条件はありますが、こちらは返済が必要ない給付金となるため対象となっていないか一度確認してみましょう。

詳しい条件などは、厚生労働省特設ページである生活福祉資金の特例貸付、および新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金をご覧ください。

融資を希望するなら各自治体の社会福祉協議会に申し込もう

生活福祉資金貸付制度は、最終的には就職などにより収入を得て自立した生活をおくることが目的です。

そのため、いきなりお金を借りる申請をしにいくのではなく、まずは各自治体の社会福祉協議会や自立支援機関で相談から始まります。

例えば東京都で福祉資金に申し込む場合、お金を借りるまでは以下のような流れです。

  1. 社会福祉協議会で相談し、申し込み対象かどうかを判断
  2. 必要書類を揃え、民生委員の面接ののち社会福祉協議会に申し込む
  3. 審査により貸付の可否が決定
  4. 借用書を作成、提出
  5. 借りたお金を受け取る

なお、申し込みから借用書の作成に至るまで約1カ月間必要で、特に生業(家業)を営む目的での借り入れ希望は最大3カ月程度かかることもあります。

また、申し込み時の必要書類に関しては福祉資金のどれを希望するかによって異なりますが、以下の書類は共通して必要です。

  • 借入申込書
  • 世帯全員分の住民票の写し
  • 世帯の生計維持に関わる人の収入証明
  • 設定がある場合、連帯保証人または連帯借受人本人の上記2つの書類

総合支援資金では、パスポートや免許証など本人確認書類も必要です。

借用書の作成時には、自筆著名がある人の実印と印鑑登録証明書が必要なので、すぐ提出できるよう準備しておきましょう。

ブラックリストは審査に落ちる?審査のポイントとは

困窮世帯のためのセーフティーネットである生活福祉資金貸付制度ですが、今後生活を立て直し無理なく返済できることが貸付の大前提です。

そのため、審査でも返済能力の有無は慎重に判断されます。

では、民間の金融機関ではほぼ審査に通らないとされている「ブラックリスト」の人はどうでしょうか。

実は、総合支援資金の申し込みできない人の条件として、多額の負債がある人や返済遅延を起こしている人とあります。

つまり、現在進行形で長期延滞によるブラックリスト入りをしてしまっている人は、隠して申し込んでも審査落ちとなるでしょう。

このほか、すでに生活保護を受けている世帯や公的融資制度、給付金を利用している世帯、長らく無職の場合も申し込みまで進めない可能性が高いです。

住所不定の場合は、まず先に住居確保給付金の給付を受けてから制度への申し込みと、段階を踏んで手続きを行ってください。

多重債務で生活が苦しい場合は債務整理を検討

多重債務が原因で生活が苦しくなっている場合、総合支援資金の一時生活再建費を利用して債務整理が行えます。

ただし、先述のとおりすでに延滞していると審査が厳しくなり、返済そのものに貸付金や生活保護費を使うことは禁止されているので公的制度の利用は厳しいです。

その場合、制度を利用せずに任意整理や個人再生、自己破産を行うのも一つの手段となります。

また、グレーゾーン金利が撤廃される2010年以前からの借り入れには過払い金が発生している可能性も。

無料相談を行っている大手弁護士事務所もあるので、貸付制度の利用以外も検討してみてください。

職業訓練中に国からお金を借りるなら求職者支援資金融資制度

申込対象 求職者支援制度で職業訓練受講給付金を受給する予定の人
申込先 ハローワーク
貸付上限金額 月額5万円または10万円×受講予定訓練月数(最大12カ月)
返済期間(償還期限) 訓練終了月の4カ月後の末日以降に返済開始、貸付日から5年以内(貸付額が50万円以上の場合は10年以内)
金利 年利3.0%

収入などで一定の条件に当てはまると、職業訓練受講中に毎月10万円の給付金を受け取れます。

それでも生活費がまかなえない場合に利用できるのが、求職者支援資金融資制度です。

貸付上限額は配偶者や子どもの有無などによって異なりますが、最大で月10万円まで貸付可能としています。

借りるお金の受け取り方法は労働金庫(ろうきん)の口座に限定され、貸付の審査もろうきんが行うのが特徴的です。

もし延滞してしまうと年14.5%の損害金が発生するなど、貸付条件は銀行ローンに似通っています。

離職・在職問わず対応可能な勤労者生活支援特別融資制度

全国にあるろうきんでは、勤務先の事情による離職や収入減少で困っている人向けの融資制度を用意しています。

金利や利用条件は各地のろうきんにより異なりますが、基本的にはろうきんの構成員であることや取引実績があることが条件です。

そのほか、離職するまでの職で勤続1年以上など安定性も求められ、銀行ローンのように審査が厳格化されていることが予想されます。

看護師等修学資金貸与は返還免除も

自治体ごとに制度の名前や条件など若干の違いはありますが、看護業務での就職を目指す人が利用できるのが看護師等修学資金貸与です。

ここでは例として東京都の場合を説明します。

東京都の看護師等修学資金貸与制度では看護師や准看護師のほか、助産師、保健師も対象です。

どの学校でも利用できるわけではなく、都が指定する都内の高校(衛生看護科)、専門学校、大学で学ぶ場合に利用できます。

貸与には2種類あり、第一種貸与では指定の医療機関に5年間勤務し続けると返還免除となり、借りていたお金の返済の必要は必要ありません。

第二種貸与では返済免除の規定はなく、東京都外の医療機関に就職すると通常の半分の機関での返済が必要です。

教育資金を国から借りるなら教育一般貸付

申込対象

子どもの人数によって異なる世帯年収の制限あり

  • 子ども1人…790万円(緩和条件に当てはまると990万円)
  • 子ども2人…890万円(緩和条件に当てはまると990万円)
  • 子ども3人…990万円
  • 子ども4人…1,090万円
  • 子ども5人…1,190万円
申込先 日本政策金融公庫
貸付上限金額 350万円(要件を満たすと450万円)
返済期間 最長15年(条件付きで最長18年)
金利 年利1.65%

政府機関である日本政策金融公庫では、国の教育ローンとして教育一般貸付を取り扱っています。

最大の特徴は世帯年収の上限が高めなことで、低所得層ではなくても年利1.65%と低い金利で教育資金を借りられます。

子どもが4人以上の場合は、世帯年収が1,000万円を超えていても利用可能です。

子ども2人以下の所得制限の緩和は、自宅外通学や海外留学、勤続3年未満などが条件となります。

申し込み受付は1年中行っており、合格発表前でも申し込み可能なので、焦らず資金の準備が可能です。

教育一般貸付と奨学金の違いは?

学費などの貸付といえば、学校から案内のある奨学金が代表的な存在です。

教育一般貸付は国からお金を借りるのに対して、奨学金は日本学生支援機構(JASSO)運営で有利子・無利子から選択できます。

有利子の場合は金利が月ごとに算出され、例えば令和4年1月に貸与終了して利率固定方式を選択した人は0.268%です。

有利子を選んでも、教育一般貸付より金利が低いことが分かります。

奨学金の場合は家計状況に加えて子どもの成績でも利用制限があり、特に無利子でお金を借りる第一種奨学金は有利子である第二種よりも厳しい水準です。

申し込みも学校を通じてとなり、いつでも申し込めるわけではないので柔軟性がやや低めな点はデメリットと言えるでしょう。

母子・父子家庭が対象の母子父子寡婦福祉資金貸付金

申込対象 20歳未満の子どもを扶養している配偶者のない人、寡婦
申込先 福祉事務所など各自治体の福祉担当窓口
貸付上限金額 用途により異なる
返済期間 用途により異なり、修学や技能習得資金は最大20年
金利 無利子または年利1.0%

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は厚生労働省所管の制度で、申込対象であれば生活資金だけでなく事業資金の貸与も可能です。

資金の目的は12種類に分けられ、それぞれで貸付条件が異なります。

事業開始資金
  • 限度額:303万円(団体の場合456万円)
  • 返済期間:7年以内
  • 金利:保証人あり…無利子・保証人なし…1.0%
事業継続資金
  • 限度額:152万円
  • 返済期間:7年以内
  • 金利:保証人あり…無利子・保証人なし…1.0%
修学資金
  • 限度額:月額5.1万円〜18.3万円(教育機関により異なる)
  • 返済期間:20年以内(専修学校のみ5年以内)
  • 金利:無利子
技能習得資金
  • 限度額:月額6.8万円または一括81.6万円
  • 返済期間:20年以内
  • 金利:保証人あり…無利子・保証人なし…1.0%
修業資金
  • 限度額:月額6.8万円または一括46万円
  • 返済期間:20年以内
  • 金利:無利子
就職支度資金
  • 限度額:10万円または33万円
  • 返済期間:6年以内
  • 金利:保証人あり…無利子・保証人なし…1.0%
医療介護資金
  • 限度額:医療…34万円または48万円、介護…50万円
  • 返済期間:5年以内
  • 金利:保証人あり…無利子・保証人なし…1.0%
生活資金
  • 限度額:月額7万円〜14.1万円
  • 返済期間:5〜20年
  • 金利:保証人あり…無利子・保証人なし…1.0%

※世帯の状況により条件が異なる

住宅資金
  • 限度額:150万円〜200万円
  • 返済期間:6〜7年
  • 金利:保証人あり…無利子・保証人なし…1.0%
転宅資金
  • 限度額:26万円
  • 返済期間:3年
  • 金利:保証人あり…無利子・保証人なし…1.0%
就学支度資金
  • 限度額:6.43万円〜69万円(教育機関によって異なる)
  • 返済期間:20年
  • 金利:無利子
結婚資金
  • 限度額:30万円
  • 返済期間:5年
  • 金利:保証人あり…無利子・保証人なし…1.0%

目的が多岐にわたるので、他の融資制度と目的が同じものも多数あります。

制度の対象となる世帯は、各条件を比較しながら検討しましょう。

高齢者向けの年金担保貸付制度は令和4年3月末で終了

高齢者が国からお金を借りる手段として、年金担保貸付制度があります。

名前の通り年金を担保にしてお金を借りる方法で、年金受給権を担保にした融資として法律で唯一認められています。

返済は自分で振り込み等を行うのではなく、振り込まれる年金から返済分を先に天引きされるしくみです。

この制度は令和4年3月末で受け付けが終了してしまい、後継となるような制度もありません。

もし高齢者が国からお金を借りるなら、生活福祉資金貸付を利用することとなります。

4月以降、年金を担保にした公的融資の受付は存在しないので、言葉巧みな詐欺業者には十分な注意が必要です。

生命保険加入者なら契約者貸付も要検討

高齢者がどうしてもお金を借りたい場合、銀行や消費者金融などにも年齢制限があるので申込可能なところを探すのが難しいです。

そんな中、自分が契約者となっている生命保険や終身保険があるなら、解約返戻金の範囲内でお金を借りられる可能性があります。

貸付にあたって審査が無いため、年齢による制限がなく高齢者でも利用可能です。

貸付なので返済が必要で、もし返済しないでいると解約返戻金や満期保険金が減額されてしまいます。

また、借り入れにより規定の額を使い切ってしまい、返済の意思もない場合はそのまま保険契約は解約となる点にも注意が必要です。

公的融資が待てないなら臨時特例つなぎ資金貸付の利用を

申込対象 住居のない離職者で、公的給付制度や貸与制度の申請が受理されている人
申込先 社会福祉協議会
貸付上限金額 10万円
返済期間(償還期限) 1カ月
金利 無利子

公的な給付制度や貸付制度への申し込みは受理されたものの、離職して給付までの生活費が無い人を対象とした制度です。

10万円を限度として貸与を受けられますが、返済期間は1カ月以内と短い点に注意が必要です。

すでに職についている人の場合は制度の対象外となってしまうので、急ぎで融資を受けたいなら消費者金融などが選択肢に入ります。

公的融資と比較すると金利は高くなりますが、大手消費者金融であれば契約から30日間の無利息期間を設けているところも多いです。

臨時特例つなぎ資金貸付と同じように、1カ月での返済を目指すなら無利息期間内での完済もできるので、制度の条件に合わない人は検討してみてください。

個人事業主への事業用融資なら日本政策金融公庫

先ほど国の教育ローンの取り扱い先として出てきた日本政策金融公庫ですが、さまざまな事業者向け融資を行う機関でもあります。

企業だけでなく、小規模事業を行う個人事業主やこれから起業する個人も融資の申し込みが可能です。

民間の銀行と比較すると低金利で、融資制度によっては無担保・保証人無しで借りられる場合も。

ただし融資額が大きくなる分審査も厳格で、事業計画書や見積書など必要書類が多めです。

ここでは数ある融資制度の中でも、小規模の個人事業主が利用しやすい4つの貸付制度について紹介します。

利用対象が幅広い一般貸付

申込対象 事業を営んでいる人
貸付上限金額 4,800万円(特定設備資金なら7,200万円)
返済期間(償還期限) 運転資金:5年
設備資金:10年
特定設備資金:20年
基準金利 担保なし:2.06~2.55%
担保あり:1.06~2.15%

ほとんどの業種が対象となっており、運転資金だけでなく設備投資にも利用できる貸付制度です。

返済期間は資金の用途によって異なり、運転資金であれば5年以内に返済しなくてはなりません。

なお、飲食店やカフェ、美容院など生活衛生関係の業種であれば、さらに限度額が大きい生活衛生貸付の利用もできます。

経営悪化に対応するセーフティネット貸付

さまざまな要因で一時的に経営が悪化してしまった時に利用できるのが、セーフティーネット貸付です。

制度は経営悪化の原因ごとに3つに分けられていて、それぞれ細かく適用条件が定められています。

それぞれの限度額や、制度が利用できる経営悪化の原因についてまとめました。

経営環境変化対応資金

申込対象 ・社会的、経済的環境の変化など外的要因によって経営が悪化した事業
・売上減少は一時的で、中長期的には回復・発展が見込まれることが条件
貸付上限金額 4,800万円
返済期間(償還期限) 運転資金:8年
設備資金:15年
基準金利 担保なし:2.06~2.55%
担保あり:1.06~2.15%

経営悪化が周辺環境など外的要因であること、売上の回復が見込まれることが貸し付けの条件です。

一般貸付と似た内容ですが、返済期間がやや長いのでゆとりを持って返済ができます。

金融環境変化対応資金

申込対象 ・取引先金融機関の影響や要請で資金繰りが悪化している人
・中長期的には資金繰りの安定が見込まれることが条件
貸付上限金額 4,000万円
返済期間(償還期限) 運転資金:8年
設備資金:15年
基準金利 担保なし:2.06~2.55%
担保あり:1.06~2.15%

取引先金融機関の業務停止や経営破綻、貸付金利の引き上げなどが原因で資金繰りが悪化している人が対象の貸付制度です。

こちらも資金繰りの改善が見込まれることが、貸付の条件となります。

取引企業倒産対応資金

申込対象 ・取引企業などの倒産により経営難となっている事業
貸付上限金額 3,000万円
返済期間 8年
基準金利 担保なし:2.06~2.55%
担保あり:1.06~2.15%

経営依存度が高い取引先の倒産の影響を受けている事業が対象です。

倒産した取引先の未回収売掛金や、売上減少にともなって必要な運転資金を目的に借入ができます。

起業する人向けの新企業育成貸付

これから新しく起業しようとする人に対しては、5種類の新企業育成貸付制度があります。

5種類とも融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、設備投資に対する返済期間は20年以内、運転資金は7年以内です。

また、適用金利は状況によって異なり、基準金利よりも低い特別金利が適用される場合もあります。

それぞれの制度で対象となる人が異なるので、一覧で確認してみましょう。

新規開業資金 ・新たに事業を始める人、または事業開始からおおむね7年以内の人が対象
・設備資金や運転資金として利用可能
女性、若者/シニア起業家支援資金 ・事業開始からおおむね7年以内の女性、35歳未満の人、55歳以上の人が対象
・事業に必要な資金の融資が可能
再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資) ・やむを得ない理由での廃業歴があってこれから新たに起業する人、または起業後7年以内の人が対象
・設備資金や運転資金として利用可能
新事業活動促進資金 ・経営多角化や事業転換を目指している人が対象
・条件により、現在の事業の全部または一部を廃止、または縮小するためにも利用可能
中小企業経営力強化資金 ・認定経営革新等支援機関の指導や助言を受けている人が、新分野の開拓等を行うための資金

選ぶ制度によって適用される利率が異なり、上記以外の融資制度が利用できる場合もあるので詳しくは窓口等で確認してみてください。

無担保・無保証人で融資可能なマル経融資

申込対象 小規模事業を営んでいて、商工会議所会頭、商工会会長等の推薦を受けた人
貸付上限金額 2,000万円
返済期間 運転資金:7年
設備資金:10年
基準金利 1.21%(無担保・保証人不要)

商工会議所や商工会などで経営指導を受けている小規模事業者が対象となり、商工会議所会頭、商工会会長等の推薦が受けられると申し込めます。

貸付上限金額はこれまで紹介した制度と比較すると少なめですが、無担保で保証人不要ながら低金利での借り入れが可能です。

無職ならまずは生活困窮者自立支援制度を利用する

長らく無職でハローワークを通しての就職活動も行っていない場合、国からお金を借りる公的融資制度の利用は難しいです。

どの融資制度も、客観的に見て返済できる見込みがある人にしか利用できません。

無職で困窮しているなら、まずは地域の社会福祉窓口で相談して生活困窮者自立支援制度を利用しましょう。

就労支援や家計改善支援だけでなく、住居がない人には衣食住の提供も一定期間行います。

相談者それぞれの状況に合わせて支援プランを作成してくれるので、無理してお金を借りるよりも良い解決方法が見つかる可能性が高まります。

なお、各自治体の相談窓口はこちらから確認可能です。

国からお金の給付が受けられる住居確保給付金

離職により住居が無くなった、または家賃が払えずまもなく出ていかなくてはならない人を対象に、住居確保のための給付金制度があります。

その対象や条件は以下の通りです。

対象となる人
  • 離職・廃業から2年以内の人
  • 休業などにより住居を失いそうな人
  • アルバイト、自営業、フリーランスも利用可能
給付金の内容
  • 原則3カ月間、家賃相当額を自治体から家主に直接支払い
  • 最大9カ月まで延長可

この給付金も生活困窮者自立支援制度の一環であり、申込窓口も同じです。

住居が定まっていないと就職活動がままならず、他の融資や給付金も受けられなくなってしまいます。

ネットカフェ等でを渡り歩く生活になる前に、まずは給付金を利用して住居を決め、自立支援も受けながら生活を立て直しましょう。

困窮が続くならお金を借りるより生活保護も視野に

融資の対象にならず、就職活動もうまくいかず困窮が続きそうな場合は、生活保護の申請も検討しなければなりません。

支給される条件は、世帯人数や年齢構成、居住地域などから算出される最低生活費よりも収入が低いことです。

働いていても、条件に当てはまれば生活保護の受給ができます。

ただし、預貯金や車、不動産などの資産も売却して生活費に充てる必要があり、資産を保有していると生活保護の対象になりません。

生活保護費は借入金の返済に充てられない

注意が必要なのが、生活保護費を住宅ローンやカードローンの返済に利用してはいけない点です。

返済に使ったことが発覚すれば不正受給とみなされ、返還が求められたり保護費が減額されたりします。

住宅ローンが残っている住宅は、生活保護を希望するなら売却して資産にする必要も出てくるため慎重さが必要です。

もし月々の返済が厳しいのであれば、金融機関に相談するか借り換えも検討してみましょう。

カードローンの多重債務が困窮の原因なら、生活保護ではなく債務整理を行うことがまず最優先です。

目的や状況に合わせて国からお金を借りる方法を選ぼう

国からお金を借りる制度は、世帯の状況や資金の目的ごとに多数用意されています。

低金利で借りられるのが何よりの魅力ですが、条件が厳しくなかなか利用対象に当てはまらない場合も。

また、借りたお金は返済が必要なため、まずは安定した職に就くための自立支援を必須とする制度もあります。

窓口は社会協議会や福祉事務所となっている制度がほとんどなので、まずは自分がどれを利用できるのか相談することから始めましょう。

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