生活保護は、お金がなくて生活が厳しい人に向けた制度です。
生活保護では12万円前後もらえますが、住んでいる地域や収入によって異なります。
誰でも生活保護を受けられるわけではなく、条件を満たさなければいけません。
生活保護でもらえる金額や申請方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
生活保護でもらえる金額には決まりがある
生活保護でもらえる金額は一定でなく、人によって個別で決められます。
支給されるお金について知っておきたいのは、以下4つです。
- 生活費でもらえるお金についての決まり
- 最低生活費がどのように決まるか
- 一人暮らしでもらえる生活費の金額
- 母子家庭でもらえる生活費の金額
生活費は、最低生活費に対して収入を引いた差額がもらえます。
最低生活費は、年齢や世帯人数で決まります。
一人暮らしでは12万円前後、母子家庭では13万円前後が相場です。
制度で受け取れる金額を知るために、住んでいる地域や家族構成をメモに書いておきましょう。
最低生活費から収入を引いた差額がもらえる
生活保護でもらえる金額は、最低生活費から収入を抜いた差額です。
最低生活費が14万円だと、収入によって以下の金額が支給されます。
月ごとの収入 | 支給される差額(月額) |
---|---|
0円 | 14万円 |
10万円 | 4万円 |
12万円 | 2万円 |
14万円 | 0円 |
働いておらず収入がなければ、最低生活費のすべてが支給されます。
特定の条件を満たすと追加で支給され、以下に該当する人はより多くの生活費をもらえます。
加算の対象者 | 上乗せされる金額(月額) |
---|---|
妊産婦 | 妊娠6ヵ月未満:9,130円 妊娠6ヵ月以上:13,790円 産後:8,480円 |
母子家庭 | 子ども1人あたり:18,800円 |
障害者 | 身体障害者障害等級1・2級:26,810円 3級:23,060円 |
介護施設入所者 | 9,880円 |
在宅患者 | 13,270円 |
放射線障害者 | 現罹患者:43,830円 元罹患者:21,920円 |
児童養育者 | 18歳までの子ども1人につき10,190円 |
介護者 | 実費 |
上乗せがあっても、支給される額は最低生活費を超えません。
最低生活費が14万円で、上乗せにより15万円受け取れる状況でも、支給額は14万円に抑えられます。
最低生活費は世帯人数や年齢で決まる
最低生活費は、世帯人数と年齢、地域の等級で決定されます。
中でも支給額に大きく影響するのは、地域の等級です。
等級とは、地域ごとに定められている生活に必要なお金の水準を指します。
光熱費や家賃は地域によって異なるので、地域の等級が高ければ最低生活費が高くなります。
東京を始めとした都市部は階級が高く、地方よりも最低生活費が高くなる傾向です。
例として、宮城県では地域ごとに以下の等級が定められています。
等級 | 地域 |
---|---|
1級地-2 |
|
2級地-2 |
|
3級地-1 |
|
物価や支出が少ない沖縄県のような地方だと、階級が低く最低生活費も少なくなります。
自分が住んでいる地域の等級は、厚生労働省が出している級地区分(H25.4.1)で確認可能です。
最低生活費を自分で計算する方法
生活保護の最低生活費は、自分で計算できます。
計算式は以下の通りです。
生活扶助(第1類)+生活扶助(第2類)+住宅扶助+その他の扶助=最低生活費
生活扶助には、第1類と第2類の2種類があります。
第1類 | 衣類や食費を始めとした個人的な費用 |
---|---|
第2類 | 光熱費や水道代など、どの世帯にも発生する費用 |
それぞれの生活扶助に住宅扶助を上乗せすると、おおよその最低生活費を求められます。
加算の対象者であれば、さらに金額が上乗せされます。
生活扶助と住宅扶助は地域の等級により金額が変動。
等級が高い都心部ほど金額が高く、等級が低い地方は低い仕組みです。
収入10万円と仮定し、1人暮らしで支給される金額を計算してみましょう。
地域の等級は、1級と3級で比較します。
生活扶助1類の等級と金額 | 生活扶助2類の等級と金額 | 住宅扶助の金額 | 最低生活費 | 収入10万円を引いてもらえる差額 |
---|---|---|---|---|
1級:38,430円 | 1級:40,800円 | 1級:53,700円 | 132,930円 | 32,930円 |
3級:28,540円 | 3級:34,420円 | 3級:40,900円 | 103,860円 | 3,860円 |
1級と3級では、支給額に約30,000円も差があると分かります。
介護施設入所者であれば9,800円が上乗せされるため、3級でも13,660円受け取れる計算です。
30,000円の差があれば、生活水準が大きく異なります。
自分が受け取れる保護費を、事前にシミュレーションしておきましょう。
一人暮らしでもらえる金額は12万円前後
1人暮らしでもらえる金額を地域の等級ごとに見てみましょう。
等級 | 最低生活費 |
---|---|
1級地-1 | 130,010円 |
1級地-2 | 127,420円 |
2級地-1 | 116,460円 |
2級地-2 | 106,860円 |
3級地-1 | 109,330円 |
3級地-2 | 103,940円 |
最低生活費を平均すると、12万円前後の支給を受けられると分かります。
あくまでも収入がないケースでの額なため、収入があれば差し引きにより支給額が減ります。
1級地-1と3級地の最低生活費の差は、約3万円です。
1級地-1と2級地-2の差は、約2万円になります。
社会人の平均月収は18万円〜30万円が目安なため、比べると低いと言えます。
支給されたお金だけで生活するには、娯楽費を含む余計な出費を抑えましょう。
母子家庭でもらえる金額は13万円前後
母子家庭では、母親と15歳以下の子ども1人で暮らしているケースが非常に多いです。
同じ条件かつ1級地-1で見たときの最低生活費を見てみましょう。
母親の年齢 | 子どもの年齢 | 1級地-1の最低生活費 | 3級地-2の最低生活費 |
---|---|---|---|
20~40歳 | 0~2歳 | 145,580円 | 121,730円 |
3~5歳 | 14,3510円 | 119,100円 | |
6~11歳 | 152,930円 | 127,770円 | |
12~15歳 | 163,060円 | 135,160円 | |
41~59歳 | 0~2歳 | 146,400円 | 122,400円 |
3~5歳 | 144,330円 | 119,760円 | |
6~11歳 | 153,750円 | 128,430円 | |
12~15歳 | 161,960円 | 135,830円 |
上記金額に加えて住宅扶助も上乗せされるので、より多く支給されると考えましょう。
収入がなければ最低生活費をそのままもらえますが、収入があると差額のみの受け取りです。
例えば、収入が10万円で最低生活費が145,580円なら、45,580円のみが支給されます。
子どもの生活に関わる扶助として、以下を利用できます。
扶助名 | 詳細 | 支給金額の目安 |
---|---|---|
教育扶助 | 教材代や給食費など、子どもが義務教育を受けるのに必要な費用を支援する |
小学生:月額2,600円 中学生:月額5,000円 ※高校生以上は義務教育ではないため対象外 |
医療扶助 | 病気や怪我に掛かる医療費を支援する | 全額支援 |
上記は子どもを進学させたい、怪我や病気になりがちな子どもの面倒を見たいときに役立つ扶助です。
生活保護費に上乗せされる形で受け取れるので、生活を送る以外の出費が必要でも問題ありません。
生活保護は生活が厳しい人に向けて作られた制度
生活保護は、事情によりお金に余裕がなく、生活が厳しい人に向けた制度です。
憲法が定めた健康で文化的な最低限の生活を保障し、自立した生活が送れるように援助します。
国民全員に申請の権利があり、どのような人にも生活保護が必要になる可能性はあります。
生活が厳しいと感じたら、「受けられないかもしれない」と思っても相談するのが大切です。
保護を受ける人には、資産や能力を始めとした、あらゆるものを生活維持のために活用しなければなりません。
例として、以下が挙げられます。
- 家や車を売る
- 働けるなら働く
- 出費を抑える など
家や車がなくなる、働くため自分の時間が減るなど、活用した結果不利益が発生するのは仕方がありません。
なくなっても困らない物から売ったり、短時間のバイトから始めたりし、不利益の程度を抑えるのも1つの手です。
最低生活費以下の収入が受けられる条件
生活保護を受けるには、収入が最低生活費以下でなければなりません。
最低生活費よりも収入が低ければ、最低生活費までの金額は支給されます。
収入がない人は、最低生活費をそのまま受け取り可能です。
最低生活費よりも収入が多いと、生活費は受給できません。
例えば、月収が15万円以上ある人は節約次第で問題なく生活できます。
最低生活費を超えた収入にも関わらず、余裕が欲しい理由で受給するのは不可です。
生活費以下の収入でも、働けるのに働かない人は制度の対象外です。
体調に問題がない人は、バイトのシフトを増やしたり、転職して収入を増やしましょう。
病気や怪我で働けない人に向けた制度でもある
生活保護は、病気や怪我が原因で働けない人に向けた制度でもあります。
健康的に働けるにも関わらず、働いていない人は制度を受けられません。
バイトでもいいので働き、可能な限り収入を得ましょう。
地域 | 等級:最低生活費 | 最低賃金(時給) | 最低生活費に到達する業務時間 |
---|---|---|---|
東京都八王子区 | 1級地-1:130,010円 | 1,072円 | 約121時間 |
神奈川県伊勢原市 | 2級地-1:116,460円 | 1,071円 | 約108時間 |
新潟県三条市 | 3級地-1:109,330円 | 890円 | 約121時間 |
どの世帯でも、週5で6時間ほどバイトをすれば最低生活費に到達します。
上記を達成できる健康状態なら、申請しても「働いてください」と断られ、受給できません。
退職して1年以内なら、健康な人でも失業給付金を受給できます。
以前仕事をしていて制度の対象外なら、失業給付金の受給を検討しましょう。
身体的な病気以外に、うつ病や躁鬱を始めとした精神的な病気を持つ人も生活保護の受給対象です。
診断書を提出して働けない証明をすれば、スムーズに制度を利用できる可能性があります。
貯預金がある人は制度を利用できない
貯預金がある人は、生活保護の対象外です。
最低生活費以下の収入でも、まずは預貯金を崩して生活するよう指導され、金銭的な支給は受けられません。
貯金がなくても、家や自動車を始めとした換金性の高いものを売って生活費に充てるよう指導されます。
例外として、以下のケースでは生活保護を受けながら家や自動車を持ち続けられます。
- 他の家やアパートに住むよりも、今の家に住んだ方が出費を抑えられる
- 自動車による移動手段がないと日常生活を送るのが難しい
上記に当てはまる人は、申請時に相談しましょう。
ほかの公的制度を利用できない人が受給対象
生活保護は、ほかの公的制度を受けられない人のみが利用できます。
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
- 介護保険
- 労災保険
- 国民年金
- 後期高齢者医療制度
- 確定拠出年金
- 児童手当
上記のうち、生活保護以外の社会保険制度を受けていない人が対象です。
生活保護は最後の手段と考え、他の制度でお金を援助してもらえないかを考えましょう。
緊急小口資金や総合支援資金は、無利子でお金を借りられます。
返済しなければいけませんが返済期間は長く、負担をあまり感じずに返していけます。
次の仕事までの繋ぎにうってつけです。
仕事が決まらず、一時的に生活が苦しい人は国の融資制度を利用しましょう。
社会福祉協議会の窓口に相談すれば、利用できる様々な公的制度を教えてくれます。
電話連絡は3親等まで行われる
生活保護の申請後、利用者の3親等まで電話連絡が行われます。
3親等内に援助可能な親族がいないかを確認するためです。
援助できる親族がいると、親族から援助してもらうよう指導されます。
生活保護は国民の税金で成り立っており、身近な人から支援してもらった方が好ましいです。
電話連絡は援助の可否が確認されるだけなので、確認さえ取れれば援助の強制はしません。
3親等のすべてが「援助は難しい」と回答したら、制度の申請を行えます。
生活保護家庭の子どもは、大学進学ができません。
生活保護は最低限の生活を支援するものであり、支援内容に大学進学を含まないからです。
子どもに大学進学を希望する人がいる際は、世帯分離をすれば親のみが制度の対象になります。
子どもは保護の対象から外れるため、子どもがバイトでどれだけ稼いでも親の生活保護には影響しません。
生活保護の申請方法から受給まで
生活保護を受給するまでの申請方法を紹介します。
- 福祉事務所で相談
- 申請書に記入して提出する
- 各種審査を行う
- 受給が認められお金が振り込まれる
生活保護費を受給するなら、福祉事務所に相談しましょう。
申請書に必要項目を記入し提出したあと、支給可能かを審査されます。
受給が認められると申請が完了し、お金が振り込まれます。
申請日から14日以内、遅くても30日以内に最初の受給が開始。
即日受給はできないので、素早くお金を受け取りたい人は早めに申請しましょう。
自分が住む地域の福祉事務所で相談する
生活保護の受給は、自分が住んでいる地域の福祉事務所に相談しましょう。
福祉事務所は全国に1,000ヶ所以上あり、区役所と同じ建物に存在します。
地域に福祉事務所がなければ、町村役場で申請を行います。
相談の当日に申請も可能ですが、通常は事前に相談してから申請します。
事務所の受付で「生活保護の申請について相談したい」と伝え、担当者と話をしましょう。
申請書に記入して提出まで進める
生活保護を申請する際は、申請書に必要事項を記入して提出まで進めます。
申請書に書く内容は、以下の通りです。
- 今の住所
- 今の住所に住み始めた時期
- 続柄や年齢を始めとした家族構成
- 世帯の状況
- 生活保護を申請する理由
- 援助可能な人の状況について
福祉事務所によっては、収入申告書や資産申告書の提出が求められます。
収入や資産の有無を確認するために必要です。
書類や証明書の提出が不要な事務所もあるので、申請前に電話で必要なものを確認しましょう。
顔写真付きの身分証明書がなければ、役所で戸籍謄本や住民票を発行し、提出するのがベストです。
生活保護を申請するには印鑑の用意が必須なので、必ず持参しましょう。
審査に通りやすい書類も一緒に提出するのがベスト
生活保護の審査に通りやすくする工夫として、以下を用意するのも効果的です。
- 病気の診断書
- 障害者手帳
- 通院記録
- 離職票
- 雇用保険受給資格者証
- 預金通帳
上記は申請に必須ではありませんが、利用者が生活保護を受けるに値するかを判断しやすい可能性も。
生活保護に関係する書類をすべて用意して申請すれば、審査も円滑に進む可能性があります。
あくまでも審査で有利になる可能性がある書類なため、提出しなくても制度の利用が必要と判断されれば審査に通ります。
無理に探したり、発行したりする必要はありません。
各種審査を行い支給しても問題ないかを確認される
生活保護の申請後、支給しても問題ないかの審査が行われます。
審査内容は以下の通りです。
審査方法 | 審査される内容 |
---|---|
家庭訪問 |
|
扶養義務者へ連絡 |
|
関係機関へ照合 |
|
家庭訪問では、主に申請者の生活内容や人の出入りを確認します。
家の環境を確認されるだけなので、押し入れなど家の細部はチェックしません。
家庭訪問は実質強制なため、必ず受け入れなければなりません。
家庭訪問の時間は自治体によって異なりますが、福祉事務所の営業時間である8:30~17時が目処です。
基本的にアポなしで訪問しますが、「来る前に電話して欲しい」と伝えれば連絡後に訪問してもらえる可能性があります。
扶養義務者への連絡は、連絡によって申請者に害が及ぶケースは連絡なしで審査が進みます。
過去に扶養義務者から攻撃を受けた経験がある人は、連絡を避けるために事前に担当者へ伝えましょう。
受給が認められると口座にお金が振り込まれる
生活保護の受給が可能と判断されれば、申請者の口座にお金が振り込まれます。
口座を持っていない人は、振り込み用口座を事前に作っておきましょう。
振り込まれる金額は、申請日までさかのぼった額です。
受給が決定した段階で、保護開始決定通知書が郵送されます。
通知書の郵送は原則14日以内で、遅くても30日以内に送られます。
1ヶ月経っても通知書が送られてこない人は、福祉事務所に連絡してください。
住宅扶助や医療扶助と同時に受給する人は、医療機関や大家に直接支払われる仕組みです。
生活保護が却下されると、保護開始却下通知書が郵送されます。
納得がいかなければ不服申し立てが可能で、再審査の要請を行えます。
再審査請求書に必要事項を記入し、却下処分を下した行政庁に提出するのが基本です。
状況によっては裁判が絡むため、複雑な状況になったら代理人や弁護士に相談しましょう。
月ごとの支給日は自治体によって変わる
生活保護を受給できる支給日は、自治体によって変わります。
以下は自治体ごとに支給されるケースをまとめた例です。
自治体 | 支給される日 |
---|---|
長崎県長崎市 | 毎月3日 |
静岡県湖西市 | 毎月5日 |
新潟県柏崎市 | 毎月2日 |
大阪府東大阪市 | 毎月2日 |
愛知県名古屋市 | 毎月1日 |
基本は毎月1日〜5日に支給されると考えましょう。
支給日が土日祝日になる際は、休日前に支給されます。
事情があっても、生活保護の支給日はずらせません。
初回の支給額は申請通過日から日割りで計算し、翌月の初回支給日に振込が実施されます。
生活保護だけで生活するなら、次の支給日までにお金がなくならない生活を心がける必要があります。
趣味の我慢や食費の節約を行い、無駄な出費を抑えましょう。
家賃補助は生活が難しい人に向けた制度
家賃補助は、生活保護と同じく生活が難しい人向けの制度です。
賃貸住宅に住む人を対象としており、家賃の一部を支給する形で援助します。
家賃補助を提供しているのは自治体と会社で、それぞれ以下の違いがあります。
自治体 | 幅広い家族構成が安心して住み続ける目的で支援している |
---|---|
会社 | 会社からの福利厚生として支援される、従業員の経済的不安を減らすためのサポート |
自治体は住民に向けて提供しているのに対し、会社は社員に対して提供しているため、意味合いが根本的に違います。今記事で解説するのは、自治体からの家賃補助についてです。
生活保護を受けられなくても、家賃補助なら利用できる場合があります。
生活保護は生活自体が難しい人向け、家賃補助は家賃で家計が圧迫される人向けと考えましょう。
家賃補助の金額は住んでいる場所と世帯人数で決まる
家賃補助の金額は、住んでいる地域と世帯人数で決定されます。
生活保護と同様に、都心部であるほど支給額が大きく、地方であるほど支給額は少なくなる傾向です。
東京都と大阪府で、住んでいる状況別に支給される額を見ていきましょう。
住んでいる地域 | 単身世帯 | 二人世帯 | 三人世帯 |
---|---|---|---|
東京都 | 40,900円~53,700円 | 49,000円~64,000円 | 53,200円~69,800円 |
大阪府 | 29,000円~42,000円 | 35,000円~50,000円 | 38,000円~55,000円 |
東京都と大阪府では、もらえる額に1万円以上の差があると分かります。
世帯数が多いほど支給される金額も多く、少なければ支給額も安くなります。
「家賃補助 自治体 ○○(住んでいる県や地域)」で調べると、自治体のサイトにて自分が受けられる家賃補助の金額を確認可能です。
家賃補助の対象内と対象外になる支払い
家賃補助の対象内になる支払いは、以下の3つです。
- 敷金や礼金
- 契約更新料
- 住居維持費
住宅扶助は、家賃をサポートする意味で支給されます。
敷金や礼金は一時的な費用のため、家賃補助ではなく一時扶助金として扱われます。
一時扶養金は、生活保護者が12月にもらえる、年越し資金として支給される保護費です。
家賃補助を受けるには、家賃が決められた上限額内に収まっているのが条件です。
仲介手数料や火災保険料も、補助の対象になる可能性があります。
ただし、それぞれ一時扶助金内で収めなければなりません。
家賃補助の対象外になる支払いは、以下の3つが挙げられます。
- 共栄費
- 管理費
- 水道費
管理費や共益費は家賃に含まれていれば対象になるので、該当する物件探しが重要です。
家賃補助を利用する上で賃貸物件を契約する流れ
家賃補助を利用する想定で賃貸物件を契約する流れは、以下の通りです。
- 初期費用の見積もりを行う
- 生活保護窓口の担当者が見積もりを了承する
- 契約のスケジュールを決定する
- 担当者から初期費用をもらう
- 不動産での契約を完了する
- 領収書と契約書を担当者に渡す
生活保護を利用している人は、扶助の範囲内で家賃が納まるかを確かめる必要があります。
生活保護の担当者へ、何回も連絡するケースも少なくありません。
確認のため時間がかかるものの、焦らず冷静に対応しましょう。
担当者が見積もりを了承しなければ、不動産屋へ相談して見積もりを減らしてもらわなければいけません。
見積金額を下げるか、新しい物件の紹介を受けてください。
普通に家を借りるよりも手続きが多いため、スケジュールに余裕を持って契約する必要があります。
生活保護を受けていると審査に通りにくくなる可能性がある
生活保護を受けている人は、家賃補助の審査に通りにくくなる恐れがあります。
生活保護を受けて生活する人に家を貸すのは、延滞を始めとしたリスクが伴うからです。
役所が家賃分を大家の口座に振り込む仕組みであれば、比較的審査に通りやすいです。
契約者本人ではなく役所が振り込むため、確実にお金を回収できるのが理由。
契約者本人が振り込む仕組みだと、家賃として入金せず、横領する可能性があるので審査に通りにくいです。
家を借りるには保証人が必要で、知人や親族に保証人になってもらう必要があります。
保証人になってくれる人がいなければ、保証人なしで家を貸してくれる保証会社を探しましょう。
審査に合格しても契約の了承を得られないケースがある
家賃補助の審査に合格しても、以下のケースによっては契約の了承を得られません。
- 大家が契約に了承しない
- 家賃補助を扱う不動産会社がない
- 生活保護の担当者から許可が下りない
生活保護や家賃補助を利用している人は、お金に困っていると認識されがちです。
「お金に困っているから家賃未払いのトラブルが懸念される」と契約を避けたがる大家もいます。
結果的に大家が契約に了承しなかったり、そもそも制度を扱わない不動産もあります。
生活保護を受給している人の部屋探しを仲介した、実績のある不動産屋に部屋探ししてもらうのがベストです。
不動産サイトで、「生活保護対応」のタグがついている物件を探しましょう。
生活保護を受けると生じるデメリットやしてはいけないこと
生活保護はお金を支給されるメリットだけでなく、デメリットも存在します。
してはいけないこともあるので、確認した上で利用するのがベストです。
- 生活保護を受けると各種ローンが使用不可になる
- 不正受給は支給停止に繋がる
生活保護を受けているときは、各種ローンの利用ができません。
ローンを利用する予定がある人は、生活保護を受ける前にローンの契約を解除しましょう。
生活保護の不正受給は、支給停止に繋がりかねません。
必ずルールを守って生活保護を利用しましょう。
保護を受けている間は各種ローンの利用が不可
生活保護を利用しているときは、カードローンを始めとした各種ローンが利用不可になります。
クレジットカードもローンと同じ扱いであり、利用ができません。
生活保護は、あくまでも自立生活をサポートするために支給されています。
各種ローンは返済が前提であり、返済は自立生活のサポートに当てはまりません。
生活保護には、各種返済に充てる目的での使用が禁止されています。
生命保険の契約者貸付や自動貸付といった、審査不要な制度も同様です。
金銭的なサポートを受けたい人は、生活保護を取るか、ローンを取るかを選択する必要があります。
ローンを検討し、断られたら生活保護に申請しましょう。
生活保護は借りたお金の返済には利用できないため、すでに借り入れしている人は返した上で申請する必要があります。
不正受給をすると支給が停止される
生活保護で不正受給すると、支給が停止されます。
生活保護を申請する際は、自分の状況を正しく申告しなければいけません。
受給中に世帯人数や収入が変われば、変更があり次第報告の必要があります。
報告に虚偽があったり、報告自体をしないと不正受給に該当。
受け取った生活保護費の全額、もしくは一部を返還しなければなりません。
以下は生活保護の不正受給の例です。
- 収入が増えたにも関わらず報告しない
- 住宅や自動車の所有を隠した上で受給する
- 世帯人数を少なく申請する
- 世帯人数が減ったにも関わらず報告せずに通常通りの金額を受け取っている
悪質だと告訴されるケースもあるので、上記に当てはまらないよう意識してください。
生活保護について知っておきたいポイント
生活保護は、誰でも簡単に受給できるわけではなく、ルールも細かく決められています。
生活保護を利用する前に知っておきたい点は、以下の6つです。
- 子どもが18歳になると支給額の減額が行われる
- 生活保護を受給すると医療費が免除される
- 最低生活費に対して収入が少なければ働いていても受給可能
- 生活保護費と年金の同時受給は可能
- 児童扶養手当と生活保護費の同時受給もできる
- 在留資格があれば外国人でも制度を利用できる
上記のうち唯一デメリットなのは、こどもの年齢が一定を満たすと支給額が減る点。
ほかはすべてメリットとして考えられます。
特に医療費が免除される点は、生活保護による金銭の受給を含めて一石二鳥なメリットです。
生活保護は日本の制度ですが、条件を満たしていれば外国人でも利用可能です。
子どもが18歳になると支給額が減る
利用者の子どもが18歳になると、18歳以下が対象の児童手当や母子加算が終了します。
生活保護費として加算されていた金額がなくなり、減額されます。
児童手当でもらえる金額 | 3歳未満:11,820円 3歳以上18歳未満:10,190円 |
---|---|
母子加算でもらえる金額 | 子ども1人:17,500円~20,300円 子ども2人:20,800円~24,200円 子ども3人:2,000円~2,300円 |
例えば1人の子どもが18歳になると、児童手当の10,190円と、母子加算の17,500円~23,000円分が減額されます。
18歳以下でも、子どもがバイトを始めて世帯の収入が増えたら減額の対象です。
バイトによって収入が最低生活費を超えれば、支給停止になる可能性があります。。
子どもが大学進学を機にバイトを始めるなら、世帯分離を行ってください。
世帯分離を行えば、利用者とこどもの世帯が別になり、収入の影響を受けなくなります。
子どもの成長に伴った減額について不安がある人は、18歳になる前に福祉事務所へ相談してください。
生活保護を受けると医療費が実質的に免除される
生活保護を利用すると医療費がすべて支給され、実質医療費免除となります。
国民健康保険や、後期高齢者医療制度が適用外なのを補うための仕組みです。
医療費支給の医療扶助を受けるには、福祉事務所への申請を行います。
申請後、医療機関で意見書を記入してもらいます。
医療扶助が確定次第、必要に応じ医療券や調剤券が発行されるので、お金を支払う必要はありません。
医療費が負担で生活が圧迫されている人も、生活保護の相談をしてみましょう。
年金と保護費は同時に受給できる
生活保護費と年金は、一緒に受給できます。
年金も収入として数えられるため、年金を含めた収入が最低生活費以下なら受給可能です。
年金が多いほど最低生活費の差額が少なくなり、生活保護費が少なくなる点は覚えておきましょう。
年金を含めた収入が最低生活費を超えると、差額が0円になり受給不可になります。
年金以外に、仕送りや臨時給付金も収入として扱われます。
生活保護の申請前に、給料以外の収入がないか必ず確認してください。
児童扶養手当と保護費の同時受給も可能
生活保護を利用した上で、児童扶養手の受給は可能です。
年金と同じく、児童扶養手当も収入として数えられます。
児童扶養手当を含めた収入が最低生活費以下なら受給でき、超えていたら受給できません。
1人親世代なら母子加算と見なされるため、生活保護費に加算した額を受給できます。
子どもを保育園に預けられる状況だと、生活保護の代わりに母子父子寡婦福祉資金貸付金を勧められるケースもあります。
以下は母子父子寡婦福祉資金貸付金に該当する資金です。
- 修学資金
- 住宅資金
- 転宅資金
- 修業資金
- 結婚資金
- 技術習得資金
- 生活資金
- 就学支度資金
- 就職支援資金
- 医療介護資金
母子父子寡婦福祉資金貸付金とは、子どもの学費や生活費、自身の引っ越し費用や資格取得に必要な資金を融資する制度です。
借りる形での融資を受けるため、生活保護と違い返済が必須です。
借りすぎると返せない恐れがあるので、返済できる範囲での融資を受けましょう。
外国人も在留資格があれば制度の対象になる
在留資格があれば、外国人でも生活保護制度の対象です。
生活保護は日本国憲法に則った制度であり、通常は日本国民のみが利用できます。
しかし在留資格を得ている外国人なら、税金を払っているため制度の準用として利用できるのが特徴です。
外国人が制度を利用する際、以下の在留資格を得ていないと受給できません。
- 永住者の配偶者
- 定住者
- 日本人の配偶者
- 特別永住者
- 永住者
- 難民認者
収入目的での在留資格は制度対象者として認められず、生活保護は受給不可です。
在留資格を持っている人は、住んでいる地域の福祉事務所へ相談してください。